秋冬物への衣替えが近づくなか、蒸気を使って服のしわを伸ばしてくれる衣類スチーマーが人気です。ハンガーにかけたまま使える手軽さが、受けているようです。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
9月中旬、JR大阪駅近くにあるヨドバシカメラマルチメディア梅田(大阪市北区)では、兵庫県尼崎市の男子学生(19)が、衣類スチーマーを手にとって品定めをしていた。実家から京大に通うが、秋以降は初めての一人暮らしに入る。
借りる部屋が狭いので、物は減らしたいという。「衣類スチーマーなら、アイロン台もいらないと思ったので」。スーツやワイシャツを毎日着ることになる今後の就職活動も見すえていた。同店で家電コンシェルジュを務める店員の遠藤綾一さん(31)も「購入客で一番多いのは、就職や大学進学などで初めて一人暮らしを始める方です」。
アイロン台はもちろん、素材によっては当て布が必要で、何かと手間がかかるアイロン。衣類スチーマーはこれに対し、ハンガーにかけたまま、気になる部分のしわだけを簡単に伸ばせる。高温の蒸気で除菌や消臭ができたりもする。
衣類スチーマーは、パナソニックが2013年に売り出して新たな市場をつくった。共働き世帯らに受けて、人気商品となった。
調査会社GfKジャパンによると、家電量販店での衣類スチーマーの昨年の販売台数は、12年に比べて約10倍に急伸した。店頭での販売比率では、アイロンが今も6割超を占めるが、衣類スチーマーはじわりと存在感を高めつつある。ヨドバシカメラの遠藤さんは「アイロンに比べて軽くて扱いやすいという点も人気。アイロンに次ぐ2台目として買っていく人も多い」と話す。(辻森尚仁)
■アイロン機能備え690グラム

日立コンシューマ・マーケティングの「CSI―RX1」
日立コンシューマ・マーケティングの「CSI―RX1」は、アイロンとの1台2役を実現しながらも、690gと軽いのが特徴。付属のブラシアタッチメントを使えば、ほこりや毛くずを取り除きながら衣類にスチームを当てることができる。1万1450円。
■噴射までわずか24秒

パナソニックの「NI―FS530」
パナソニックが4月に売り出した最新機種の「NI―FS530」は、電源を入れてからスチーム噴射の開始までが24秒と早いのが売り。ヒーターの改良で実現した。上下左右に自由に噴射することができ、スチームが噴き出す範囲も従来機種より広くした。9270円。
■衣類に合わせ温度3段階

ティファールの「DV8620J1」
ティファールの「DV8620J1」は、アイロンの形状を生かし、フッ素樹脂加工したプレス面からスチームが出てくる。衣類に合わせて、3段階の温度調整も可能だ。高熱状態のまま机などに置けるように、本体に金具が付いていて安全面にも配慮している。5540円。
■タンク部分取り外しOK

アイリスオーヤマの「KIRS―01」
アイリスオーヤマの「KIRS―01」は、スチーム用の水を入れるタンク部分が取り外せる。本体に水を直接出し入れする商品が多いなか、扱いやすいのが特徴。付属品の専用布で衣類を支えながらスチーマーを使うと、しわを伸ばしやすいという。5530円。
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ヨドバシカメラ梅田の人気商品の中から選びました。9月14日時点の店頭販売価格で、税込み
■売れ筋ランキング
①日立「CSI―RX1」 1万1450円
②パナソニック「NI―FS530」 9270円
③ティファール「DV8620J1」 5540円
④パナソニック「NI―FS330」 8770円
⑤アイリスオーヤマ「KIRS―01」 5530円
※ヨドバシカメラマルチメディア梅田での9月14日までの1カ月間の販売数。同日時点の店頭販売価格で、税込み(きりとりトレンド)