法務省は9日、法科大学院を修了せずに司法試験の受験資格を得られる予備試験の合格者を発表した。前年より39人多い444人で過去最多を更新し、制度が始まった2011年以来、6年連続の増加となった。受験者数も前年より301人多い1万743人で過去最多だった。
同省によると、合格者444人のうち、今年1月の出願時点で高校生が1人、大学生が213人、法科大学院生が109人。大学生が34人増えたほか、予備試験の合格者としては最年少となる18歳も含まれるなど、若年化が目立った。
予備試験は経済的事情で法科大学院に通えない人や社会人のために設けられた制度だが、法科大学院で2年(法学未習者は3年)過ごさずに司法試験を受けられるため、「時間もお金も節約できる」と「抜け道」化している。
新司法試験が始まった06年、法科大学院修了者の司法試験の合格率は48・25%だったが、09年以降は2割台で低迷。一方、予備試験合格者は毎年6割を超える高い合格率を保ち、合格者数も年々増加。今年の司法試験の合格率は、法科大学院修了者が22・51%だったのに対し、予備試験合格者は72・5%だった。(小松隆次郎)