学校法人森友学園(大阪市)が開設を目指した小学校の「設置趣意書」を開示するよう、神戸市の大学教授らが国に求めた訴訟で、「不開示」としていた国側が一転、開示する方針を大阪地裁と原告側に伝えていたことが20日、わかった。
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国側は、学園が国有地の取得要望書類として提出した趣意書について、地裁への上申書で、開示しても学園の利益を害するおそれがなくなったと方針転換の理由を説明した。学園の民事再生手続きを進める管財人は14日付で、小学校開設がなくなり、趣意書が開示されても支障はないとの意見書を出していた。
原告の上脇博之・神戸学院大教授は5月、財務省近畿財務局に開示請求したが、財務局は7月「学校法人の経営上のノウハウを含み、利益を害するおそれがある」として、表題の一部や本文すべてを不開示とする決定をしていた。
第1回口頭弁論は30日の予定で、同日までに開示される見通し。上脇教授は「最初の段階で管財人に意見を聞けばよく、不開示にする必要はなかった。結論ありきの決定だったのではないか」と批判した。今回の訴訟について、原告側の代理人は「国家賠償請求訴訟に切り替えるなど訴えの内容を変えて引き続き争う」としている。