学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐり、会計検査院が値引きの根拠となった地中ごみの算定根拠が不十分だと指摘したことについて、菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で「政府として真摯(しんし)に受け止めなければならない」と述べた。
菅氏は検査院報告について「役所側の行った(地中ごみの量の)積算は、仮定の仕方によっては推計値が大きく変動する状況にあることなどを踏まえれば、撤去処分費用を算定する際に必要とされる慎重な調査、検討を欠いていたとされている」と言及。そのうえで「国土交通省、財務省で、指摘内容を十分精査し、今後の国有財産の処分にあたってより慎重な調査検討を行うなど、適切に対応をしていきたい」と述べた。
具体的には、国有財産の処分における手続きの明確化、売却価格の客観性の確保、行政文書の適正な管理について、有識者の意見も踏まえて見直しを行うという。
地中ごみの量を積算した大阪航空局を管轄する石井啓一国交相は、この日の閣議後会見で「撤去費用の見積もりにあたって根拠の十分な確認が必要であったと指摘されており、重く受け止めなければならない」と述べた。一方で、「(見積もりは)当時、検証可能なあらゆる材料を用いて行われた。限られた時間の中で報告しなければならない状況下で、ぎりぎりの対応だった」と釈明した。
この日の衆院内閣委員会では質疑があった。立憲民主党の篠原豪議員は「(忖度〈そんたく〉が)ないというのなら根拠を示してほしい。それが示せないのなら再調査してほしい」と要求。財務省側は「(会計検査院の指摘では)撤去処分費用を算定する際に必要とされる慎重な調査検討を欠いていた。財務省として改めて検証をしていきたい」と応じた。