元役員が官製談合に関与したとされる建設会社・岡本組に家宅捜索に入る千葉県警の捜査員=23日午後5時43分、同県松戸市大金平3丁目、松島研人撮影
千葉県東葛飾土木事務所(同県松戸市)の前所長らが県発注工事の予定価格などを不正に漏らしたとされる官製談合事件で、工事を受注した建設会社の元役員が入札の1年前から発注計画を知っていたことが24日、業界関係者への取材でわかった。県警も同様の証言を得ており、前所長らと長期間にわたって密接な関係だったとみている。
千葉県幹部職員2人を逮捕 入札情報漏らした疑い
官製談合防止法違反の疑いで逮捕されたのは、3月まで同土木事務所の所長だった佐藤政弘(58)と維持課長だった佐藤好明(51)の両容疑者。松戸市の建設会社「岡本組」の元取締役高松英範容疑者(74)も共犯として公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕された。
工事の入札公告は昨年7月1日、入札は同8月25日にあった。業界関係者によると、高松容疑者は同土木事務所を頻繁に訪ね、前所長ら県職員と関係を構築。高松容疑者が電話で連絡を取る姿も目撃されており、2015年夏に今回の工事の時期や場所などの発注計画を把握していたという。
県警によると、高松容疑者は、公告前日に予定価格を、入札の約半月前に落札額の目安となる「調査基準価格」などを逮捕された職員2人から入手した疑いがある。県警は24日朝、3人を千葉地検に送検。県庁や同土木事務所を捜索した。