衆院に続き参院でも29、30両日、予算委員会が開かれる。衆院予算委では質問時間をめぐり与党側が「与党5対野党5」を提案したのに対し、野党側は従来通り「2対8」を求め、激しく対立した。一方、参院では対立がなく、時間配分はほぼ5対5で落ち着いており、衆参で違いをみせる。
質問時間は与党5・野党9 衆院予算委、与党が押し切る
背景には、衆参で異なる「質問時間」の考え方がある。衆院の質問時間は、首相や閣僚が答弁した時間も含む「往復方式」で、政府側が長く答弁すれば議員の質問時間もその分減ってしまう。これに対し、参院予算委の場合は、原則として首相らの答弁時間を含まない「片道方式」で行われる。
参院でも少数野党の質問時間は短い。しかし、簡潔に数多く質問すれば多くの答弁を引き出すことができる。社民党の福島瑞穂・前党首は「片道方式のメリットは大きい。質問時間が5分、10分でも相当聞ける」と話す。
各会派への時間配分の決め方も少数会派への配慮がある。まず、委員の人数に応じて各会派に割り振り、与党の時間の一部を野党に譲る。参院予算委で野党との交渉役となる自民党の石井準一参院議員によると、与党は野党の質問時間を上回らないようにし、少数会派には委員1人あたり12分を割り当てる方針という。
こうした質問時間の考え方や配分方法が野党の不満を少なくしているとみられる。29日からの参院予算委の場合、質問時間は与党47%、野党53%。福島氏が所属する参院会派「希望の会」(6人)にも12分が割り当てられる。(久永隆一、竹下由佳)