ガ大阪を率いた5年間を振り返る長谷川健太監督=大阪府吹田市、大西史恭撮影
ガ大阪の歴代監督の中で、西野朗氏の10年に次ぐ5年の長期にわたって指揮を執った長谷川健太監督。ガ大阪を去るにあたり、朝日新聞のインタビューに応じ、胸中を明かした。
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「5年間は終わってみれば、アッという間だった。選手たちと過ごした時間は忘れられない時間」
2014年は3冠、15年は天皇杯連覇。ただ、その後は2年続けて無冠に終わった。
「14、15年はある程度パッと言えば選手が迷いなくやってくれていた。そういう意味では完成というか、熟成という状態に近かったと思う。ここ2年はだんだん選手も抜けていったし、チームが一つ変わる時期なんじゃないかなと思う」
井手口陽介、三浦弦太、初瀬亮――。監督の下でプレーし、新たに日の丸を背負う若手が出てきた。
「特に育てようとは思っていなかった。ベテランも若手も一緒。名前で決めずに、自分が見てどちらが本当に戦力になるかを見極めた。たまたま若い選手が頑張って伸びた。こういう選手がこうなるんだっていうのを、間近で見られるチャンスはそうない。そういう時期に一緒に仕事ができたというのは、逆に彼らに感謝したい」
ガ大阪の顔といえば、遠藤保仁。今季は、37歳になったベテランをベンチに置く試合が増えた。
「ヤット(遠藤)の先発を外すという決断は簡単ではなかった。自分も選手だったので、外されて納得できないのはよく分かる。それを納得しろっていうのも変な話だけど、選手にすればなんで使わなかったのかという理由がないと納得できない。自分には自分のポリシーがあるから、少しでもこちらの気持ちが伝わればと、ヤットとも、たくさん話をした」
「ヤットは我慢強い。もっと、キレてもおかしくない。例えば、Jリーグでも自分のパスに反応できなければ、怒る選手はいる。ヤットはそういうところがない。淡々とやる。そこが素晴らしい。彼がいなければ、5年間でこれだけのタイトルはとれなかった。ヤットとやれて、素晴らしい経験をさせてもらった」
日本人で唯一の国内3冠監督。来季はFC東京で指揮を執ることが決まっている。監督の楽しさとは。
「勝負じゃないですか。準備したことの結果がどう出るか。それが中3日とか、1週間でわかる。燃える仕事がやれているっていうのは、すごく幸せ。ガンバで優勝させてもらったので、また、Jリーグやカップ戦で優勝できるようにしていきたい。来シーズンは違う形で市立吹田スタジアムに来るけれど、その時はよろしくお願いします」(大西史恭)