大阪府環境農林水産部の議会担当職員が各課に募った「維新向けの一般質問のネタ」を書き込む用紙。メールに添付されて職員に配られた
大阪府の環境農林水産部が、「大阪維新の会」(代表・松井一郎知事)の府議会議員のために、9月議会の質問案を準備していた。維新府議への忖度(そんたく)と受け取られかねず、松井知事は6日の記者会見で、部長と関係職員に口頭で注意したことを明らかにした。
「忖度(そんたく)」って何のこと?
府によると、9月議会開会前の9月14日、環境農林水産部の議会担当職員が、「部長からの指示」として、「堺市長選を控え、維新議員は選挙の応援で議会の質問を考えていないと思われる。選挙後に何か項目ないかと問われるため、事前にネタを集めておけ」などと書いたメールを部内の職員らに送信した。当時は維新新顔と現職が争う堺市長選の真っ最中だった。
部内からは災害廃棄物対策などに関する四つの質問案と答弁案が寄せられたが、府や維新によると、維新府議は自ら質問をつくっており、職員の質問案が渡ることはなかったという。
竹柴清二部長は取材に対し、「メールに書かれているような指示はしていない」と述べ、「選挙で答弁調整の時間が限られる。のんびり構えないように周知を」という指示だったと釈明。「質問案を作るつもりはなかったが、誤解を招く可能性があるメールで不正確だった」と述べた。
維新代表でもある松井知事は記者会見で、職員の行為に「ありがた迷惑や」と述べた上で、「部長の言葉足らずと、受け取った側が解釈を間違えた。両方の責任」とし、「部長が忖度しているということではないと思う」と述べた。