北海道小清水町から愛媛県八幡浜市に来てミカンの選果作業をする安田昂平さん=愛媛県八幡浜市
ミカンの一大産地・愛媛県と、畑作などが盛んな北海道の両JAが14日、姉妹協定を結んだ。農作業の忙しい時期がずれていることを生かし、人手不足を補い合うのがねらいだ。
手を組んだのは、愛媛県八幡浜市の「JAにしうわ」と、オホーツク海に面した北海道小清水町の「JAこしみず」。八幡浜市のミカン園地でこの日、式典を開いた。JAこしみずの佐藤正昭組合長は「気候、風土は違うが、担い手の確保など山積する課題は共通。互いの歴史と文化を大切に、より良い関係を築いていく」とあいさつ。JAにしうわの木下親理事長は「(農家の)後継者らの交流をしていき、友好関係を深めたい」と応じた。
JAにしうわ管内の西宇和地域(八幡浜市、西予市三瓶町、伊方町)は、愛媛産ミカンの一大産地だ。JA組合員の大半が柑橘(かんきつ)を手がけるが、高齢化などで担い手不足に悩む。JAに出荷する柑橘農家は9月現在で約2200人。10年前から約700人も減ったという。JAなどは東京や大阪で説明会を開き、温州ミカンを収穫する11~12月の繁忙期に手伝ってくれるアルバイトや、新規就農者の確保に追われてきた。
一方のJAこしみずでは、小麦やジャガイモなどの畑作が盛んだ。農作業は3月ごろから始まり、4~5月はジャガイモなどの植え付けに忙しい。広い農地なので大型の農機を使うものの、人手も欠かせないという。ただ、11月上旬ごろには農作業が一段落して閑散期に入っていた。
繁閑期が異なる二つの産地。両…