宮沢氷魚=倉田貴志撮影
坂口健太郎、成田凌、東出昌大……。男性ファッション誌「メンズノンノ」(集英社)の出身モデルがドラマでめざましい活躍を見せている。一般公募で発掘された彼らが、ファッションのお手本として流行を牽引(けんいん)する一方、テレビ界にも活躍の場を広げ、存在感を増している。(野村杏実)
メンノンは、女性ファッション誌「ノンノ」から派生する形で1986年に創刊。阿部寛や田辺誠一、谷原章介らが誌面を飾った。読者の共感を得ようと、一般公募の専属モデルを起用した。
90年代は伊勢谷友介ら専属ではないモデルの活躍が目立ったが、2011年、編集部は再び「専属モデルの強化」を打ち出した。背景には、インターネットの普及による出版市場の縮小や、東日本大震災があったという。岩佐きぬ子編集長は「雑誌が売れないなか、阿部寛さんや田辺誠一さんのようなスターをもう一度出し、メンノンを認知してもらいたかった」。ファッションの企画はほぼ専属モデルを起用し、露出度を高めた。
オーディションでは外見だけでなく、ファッションへの情熱や幅広くブランドを知りたいという好奇心があるかを重視。時間を守る、きちんと学校に行くなど生活面も指導する。「人と人の仕事という点では雑誌もドラマも同じ。大人の世界でもまれることで、人間的な魅力が高まるのでは」と岩佐編集長。
人気に火がついたのが坂口健太郎だ。14年6月号で専属としては約20年ぶりに単独で表紙を飾り、映画で俳優デビュー。翌年、「コウノドリ」で連続ドラマ初出演を果たした。坂口のブレーク前後から、オーディションには俳優志望や、芸能事務所からの挑戦が増えたという。
メンノンモデルのドラマ進出は…