未開通区間のある首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の全線と、東海環状自動車道の大部分が、2024年度に開通する見通しとなった。政府の財政投融資(財投)による資金1・5兆円を建設に使うことが財務省に認められ、整備が早まるとして、国土交通省が初めて開通時期を示した。
時期が明らかになったのは、圏央道が千葉県内の松尾横芝インターチェンジ(IC)―大栄ジャンクション(JCT)、東海環状は岐阜県内の高富IC―大野・神戸IC、三重県内の北勢IC―大安IC。圏央道は全線の304キロ、東海環状は用地取得の難航している18キロをのぞく135キロが、24年度までに開通することになる。
こうした高速道路は、高速各社が金融機関などからお金を借りてつくり、完成したらその借金とともに独立行政法人「日本高速道路保有・債務返済機構」に引き渡している。機構は道路を高速各社に貸して賃借料を受け取り、そのお金や債券を発行して調達した資金などで債務を返済する。
財投は、国債を発行して集めたお金などを原資に融資する仕組み。国交省は機構に1・5兆円、固定金利で40年間貸すことを財務省に要望し、認められた。
現在、金融緩和による低金利のため、機構が自力で資金調達して将来的な金利上昇の負担を引き受ける場合と比べ、40年間で約1兆円負担が減るという。その分、機構は高速各社からより多くの債務を引き受けられるので各社はより多くの工事をでき、工事が早く進むと国交省は主張する。(石山英明)