元横綱日馬富士の師匠、伊勢ケ浜親方=11月23日、福岡市
元横綱日馬富士の暴行事件を巡り、日本相撲協会は20日午後、臨時理事会を開く。危機管理委員会(委員長=高野利雄・元名古屋高検検事長)が中間報告後に加えた調査結果を明らかにし、午前中の横綱審議委員会を経て関係者への処分を検討する。
相撲特集:どすこいタイムズ
理事会では、日馬富士の師匠で理事の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の監督責任が問われる。2010年に元横綱朝青龍が暴行問題を起こして引退した際には師匠の高砂親方(元大関朝潮)は、役員待遇委員から主任へと2階級の降格処分を受けている。
被害者側ではあるが、巡業部長として当初に協会への報告を怠った貴乃花親方(元横綱)の処分も検討される見通し。弟子の貴ノ岩に対する協会の聴取を拒否していることも問題視されている。協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)については、暴力撤廃を訴えながら問題が再び起きたこと、その後の対応が遅れたことなどへの責任を、本人を含めてどう判断するかが焦点となる。
現場に居合わせながら暴行を防げなかった白鵬、鶴竜の両横綱は、横審や理事会で議論の対象になりそうだ。白鵬は九州場所の優勝インタビューで不規則な言動があったとして、先月30日の理事会の場で厳重注意を受けたばかり。貴ノ岩についても、診断書を提出しないまま冬巡業を全休したことに対して厳しい声が上がっている。
また危機管理委では、今後の指標とするため、すでに引退している日馬富士に対し、「引退勧告」に相当する処分案を提案する方針。譴責(けんせき)から懲戒解雇まで7段階ある協会の処分基準の中では2番目に重いものになりそうだ。