元横綱日馬富士=11月29日、福岡県太宰府市の太宰府天満宮、竹花徹朗撮影
元横綱日馬富士の暴行問題で、日本相撲協会の横綱審議委員会(委員長=北村正任・毎日新聞社名誉顧問)の臨時会合が20日、東京・国技館で行われた。暴行現場に居合わせた白鵬、鶴竜の両横綱に対し、「厳重に注意すべきと、(協会に)進言をする」との意見をまとめた。
相撲特集:どすこいタイムズ
協会の危機管理委員会(委員長=高野利雄・元名古屋高検検事長)による中間報告では、日馬富士が幕内貴ノ岩に暴行を加える際、白鵬が止めに入ったと認定していた。しかし横審は、結果的に暴力を防ぐことができなかったことを問題視した。20日午後の臨時理事会はこうした意見を踏まえ、処分すべきかどうかを検討する。
また横審は、元日馬富士に対して「引退勧告相当」とする意見を出した。すでに引退している力士に協会として懲戒処分は科せないが、今後の指標とするため、今回の暴行がどの程度に相当するかを判断した。
横審の内規には現役横綱が体面を汚す行為などがあった場合には、「激励」「注意」「引退勧告」ができるとある。今回、被害程度などは別として、現役横綱が暴力を振るった事実を重く見た。
横審の勧告などに強制力はないが、理事会での大きな判断材料となる。