山梨実験センターの波多野穣所長=山梨県都留市
2027年開業を目指し、JR東海が建設を進めるリニア中央新幹線。その土台となる技術を磨いているのが、山梨リニア実験線だ。1997年に走行試験が始まって20年、開業に向け、改良を重ねている。
特集:リニア中央新幹線
試乗会の乗車人数は?
山梨県の山あいを走る実験線は上野原市と笛吹市の42・8キロを結び、開業時にはルートの一部となる。現在、5両と7両の2編成が常駐し、日曜日を除く毎日約2千キロを走る。99年からは一般向け試乗会も始め、24万5千人が乗車した。
これまでの走行距離は?
これまでの走行距離は、地球55周分に当たる221万キロ。山梨実験センターの波多野穣(ゆたか)所長(59)は「長い時間、長い距離を走ることに意味がある」。加速、振動などを計測し、設備の劣化やタイヤの摩耗をチェックする。15年には1日55往復し、4064キロを走る実験もした。データを元に改良を重ね、この20年で現在のL0(エルゼロ)など4種の車両誕生を支えてきた。
リニアは車体下部の超電導コイ…