北朝鮮は7日、板門店で9日に開く南北高官協議の代表団として、祖国平和統一委員会の李善権(リソングォン)委員長を団長とする5人の名簿を韓国側に通知した。李委員長のほか同委関係者2人と体育次官、五輪組織委員も参加する。韓国側は趙明均(チョミョンギュン)統一相や文化体育観光次官らの派遣を決めており、北朝鮮も韓国代表団に合わせた構成になった。
祖国平和統一委は従来、韓国を主に担当する朝鮮労働党統一戦線部の傘下機関だったが、2016年6月の最高人民会議で国家機関に格上げされた。李氏は南北軍事実務会談の代表を長く務めた。17年4月に新設された最高人民会議外交委員会の委員も務める。
韓国政府内では閣僚級の会談となったことで、南北関係改善に向けた期待感が高まっている。同時に、北朝鮮が平昌五輪への参加問題に加え、米韓合同軍事演習の中断や金剛山観光事業の再開などの問題を提起するのではないかと警戒する声も出ている。
一方、朝鮮中央通信は6日、「北南関係問題は朝鮮民族の内部問題。外部勢力に依存して解決しようとすれば、複雑になる」と指摘し、南北朝鮮両当局が主導的な役割を果たすよう求めた。日米韓協力の弱体化を狙った発言とみられる。(ソウル=牧野愛博)