後援会の「新春の集い」に出席し、あいさつする安倍晋三首相(左)=7日午前、山口県下関市
安倍晋三首相は7日、地元の山口県下関市であった後援会の会合であいさつし、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が平昌(ピョンチャン)冬季五輪に選手団を派遣する意向を表明したことについて「この姿勢を評価したい」と語った。五輪期間中に米韓が合同軍事演習を行わない方針で合意するなど各国が一定の評価をしており、歩調を合わせた形だ。
会合で首相は「五輪は平和の祭典だ」と語った。一方で、「大切なことは中国やロシアを含めた世界が制裁決議を履行して核やミサイルを放棄させ、拉致問題を解決しなければならない」とも強調。圧力を高めていく方針を重ねて示した。
憲法改正への意欲も改めて示した。首相は「政権を奪還して5年間。成し遂げたこともあるが、まだまだやるべきことはある。デフレ脱却、人づくり革命、生産性革命、さらには憲法改正だ」と掲げ、「栄辱によって初心に負(そむ)かんや」という同郷の思想家吉田松陰の言葉を引用。「たじろがず、甘んじず、力強く一歩一歩前に進んでいく決意だ」と述べた。
また、同日のNHK番組では、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が韓国外相直属チームによる日韓合意の検証結果を受けて「この合意では慰安婦問題は解決されない」との声明を出したことについて、首相は「合意は国と国との約束で、国際社会が高く評価している。韓国側が約束したことは誠意をもって実行してもらいたい」とした。日銀の総裁人事については「引き続きしっかりと黒田(東彦(はるひこ))さんに取り組んでいただきたいが人事においてはまったくの白紙」と話した。