秋田犬「あこ」の背中に全方位カメラを取り付けて撮影したストリートビュー画像。奥は忠犬ハチ公の銅像=21日、秋田県大館市、市観光課提供
米グーグルが、「秋田犬(いぬ)『忠犬ハチ公』のふるさと」として町おこしを進める秋田県大館市と組み、秋田犬の背中に小型カメラを取り付けて撮影した「犬目線」の市内の風景を地図検索サービス「ストリートビュー」で紹介する試みを始めた。
時折、雪が強く吹き付ける20日のJR大館駅前。ハチ公など秋田犬の銅像が並ぶ駅前ロータリーに、同駅の観光駅長を務める秋田犬の双子の姉妹「あこ」と「飛鳥」が現れた。「あこ」の背中には、全方位撮影ができる、重さ約100グラムほどのリコー製小型カメラが取り付けられている。
2匹は飼い主にリードを引かれつつ、道ばたの雪をなめたり突然立ち止まったりしながら、のんびり歩いていた。マレーシアから来たという女性の観光客4人と記念撮影にも収まった。
グーグルが、昨年から秋田県庁と協力して県内の観光名所をストリートビューで紹介しているのに合わせ、大館市にも「戌(いぬ)年である今年、市内の風景を秋田犬で撮影してみては」と打診。市観光課で秋田犬のPRを担う嶋田恭輔さん(34)らが「観光客に大館を訪れてもらうにはストリートビューに載せて知ってもらうことが最適」と考え、実現させた。
2匹は今回、博物館「秋田犬会館」やハチ公と同様の忠犬伝説が残る「老犬神社」、山に囲まれた雪原など、「大館ならでは」(嶋田さん)の風景も撮影した。画像は編集が終わり次第、順次公開していく。
ストリートビューはこれまで、専用のカメラを積んだ車両が市街地を走って撮影することが多かったが、近年では機材の小型化が進み、自転車や徒歩でも撮れるようになった。最近は富士山の登山道や熊野古道といった観光地のほか、東京駅や羽田空港などの駅・空港の画像も公開され、訪日客らに好評という。(上地兼太郎)