佐川宣寿・前財務省理財局長が問われる国会答弁
財務省が森友学園との国有地取引に関する決裁文書を改ざんした問題で、まず焦点となっているのは佐川宣寿・前財務省理財局長の国会招致だ。改ざんは理財局の一部職員によって行われたとされる。攻勢を強める野党に対し、与党からも招致は避けられないとの声が出始め、与野党の攻防が緊迫している。
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13日午前に国会内で開かれた自民党と立憲民主党の国会対策委員長会談。立憲の辻元清美氏は、法案審議への協力を求めてきた自民の森山裕氏に語気を強めた。「なぜ、誰が、どんな指示をしたか。真相を究明してからだ」。しかし、森山氏は佐川氏の証人喚問は「難しい」と回答。会談は平行線に終わった。
麻生太郎財務相は12日、改ざんについて「理財局の一部の職員により行われた」「最終責任者は佐川」と明言した。佐川氏の証人喚問について希望の党の玉木雄一郎代表は13日の記者会見で「国会が正常化する大前提だ」。共産党の小池晃書記局長も会見で「議論を始める上で絶対に必要だ」と強調。野党6党は足並みをそろえ、証人喚問が実現しない限りは国会審議に応じない構えだ。
一方、参院予算委員会は13日の理事会で、安倍晋三首相や麻生氏が出席する集中審議を14日に行うことを決めた。理事会に出席した自民、公明両党と日本維新の会、参院会派「無所属クラブ」の賛成で決まり、14日の質疑もこの4会派だけ。証人喚問もない。
実際、自民党は佐川氏の招致に消極的な姿勢を崩していない。同党の関口昌一・参院国対委員長は13日の会見で「検察も財務省も調べている。(国会招致は)まだその段階ではない」。党参院幹部も「佐川氏は民間人だから国会に呼べない」と予防線を張った。自民党が慎重なのは、佐川氏招致に応じれば、野党が求める首相の妻、昭恵氏の招致につながるとの懸念があるためだ。
ただ、問題の解明を求める世論…