12日、チャドの大統領と握手をするティラーソン米国務長官(左)=AFP時事
トランプ米大統領が13日、米外交を取り仕切るティラーソン国務長官の交代に踏み切った。歴史的な米朝首脳会談の準備を始めたタイミングだった。北朝鮮との対話に強い姿勢で臨む意向を打ち出すとともに、外交・安全保障から通商交渉に至るまで、トランプ氏の意向に忠実に行動する人材を配置した形だ。
トランプ米大統領、ティラーソン国務長官の解任表明
「レックス(ティラーソン氏)とは本当にうまくやってきた。でも物の見方が違っていた。考え方が違っていた」
13日朝、トランプ氏はカリフォルニア出張に旅立つ前、記者団にこう語った。
米メディアは国務省高官の話として、ティラーソン氏は自身の解任をトランプ氏のツイッターで初めて知ったと報じた。引き続き国務長官の職を続けたい意向であることも伝えている。
トランプ氏とティラーソン氏は、以前から確執が取り沙汰されてきた。
オバマ前政権が合意したイラン核合意について、トランプ氏は「ひどい合意だ」として離脱を示唆。これに不満を募らせたティラーソン氏は辞任を検討し、会議でトランプ氏を「馬鹿」と呼んだとされる。このため昨年末には、米メディアがティラーソン氏が早期に解任されると報じた。
北朝鮮問題でもティラーソン氏は蚊帳の外だった。
トランプ氏は軍事的行動を排除することなく、最大限の圧力をかける強硬な路線をとってきた。対話路線を模索するティラーソン氏を「時間の無駄」と酷評したこともあった。
一転して米朝首脳会談の受け入れが決まった時、ティラーソン氏はアフリカを訪問中。12日、ナイジェリアの首都アブジャでの記者会見では、首脳会談に向けた事前交渉について「とても初期の段階だ」と述べるなど、自ら交渉にあたる考えを示していた。しかし、その翌日に解任された。
トランプ氏はティラーソン氏を…