この週末、四川省成都市の女性・張さんと代さんは劇場に公演を見に行った。劇場の入り口で待ち合わせた二人は、マスクで覆われている部分以外はバッチリメイク。しかし、マスクを外すと、二人とも口紅をつけていないことに気づいたという。
新型コロナウイルス感染が拡大してから1年以上経った今、多くの人にとってマスクを着用することは既にニューノーマルとなっている。マスクをしているため、どんなにバッチリメイクをする人でも、口紅をつける機会は減っている。
メーカーやオフラインの販売コーナーまで、口紅の売上高は過去1年、減少した。
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広東省広州のある化粧品会社の責任者・謝棋さんによると、「口紅の売上が急減して、約半分にまで減った。でも、コスメ全体を見ると、売上は伸びている。アイライン、アイブロー、アイシャドウなどのアイメイク商品の売れ行きが好調で、売上がかなり伸びている」という。
広州の別の化粧品会社の営業責任者・譚涛さん(仮名)は主に、口紅などのリップメイク商品を担当している。それら商品の売上は過去1年、新型コロナの影響を大きく受け、「2019年は、ほとんど毎晩残業し、時間外勤務や操業時間を増やしてまで生産していた。でも、昨年は、残業しなくても必要な分を十分生産できたため、残業が少なかった」と話す。
そして、「ざっと見積もって、当社の昨年の口紅の売上は約40%減った。中国国内の影響だけでなく、昨年上半期は輸出できない商品もあった。下半期になって回復したものの、海外の市場の状況は思わしくない」とする。
ある国産ブランドの専用販売コーナーのスタッフは取材に対して、「以前は口紅を並べていたものの、今は撤去した。今並べているのはその他のコスメ商品とスキンケア商品ばかりで、口紅はほぼ粗品になっている」と説明した。
その他、いろんなブランドのコスメ商品が並ぶコスメショップのスタッフも、「口紅の売上は減っていると思う。でも、化粧をする人は必要な化粧品はやはり購入する。なかでもアイメイク商品がよく売れている」と話した。
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今年口紅の売上は回復する?
過去1年の間に、マスクがコスメ産業の流れを大きく変えた。では、今年は、口紅が「再ブレーク」する機会があるのだろうか?
ある化粧品会社の関係責任者・劉さんは取材に対して、「当社の工場が生産している口紅は、コップにも、マスクにも付かない。今年、その口紅の注文がたくさん入っている。昨年の生産量も多かった。その口紅はマスク着用に影響はない」と説明した。
一方、謝さんは、「口紅の売上は今年初めにやや増加した。しかし、例年ほどの量ではない」とする。
譚さんは、「今年、口紅産業は昨年よりはよくなるはず。当社のサイトに寄せられる問い合わせも多く、昨年よりいい状態」とするも、具体的な口紅の売上については、「少しは回復すると思うが、あと1ヶ月しないと確かな数字は分からない」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年2月23日