文部科学省と名古屋市教育委員会のやりとりの抜粋
前文部科学事務次官の前川喜平氏が名古屋市立の中学で講演したことをめぐり、文科省が名古屋市教委に問い合わせた問題で、文科省と市教委は16日、互いに交わしたメールの写しなどを公開した。文科省の担当者は、前川氏が天下り問題で辞職したことなどを挙げ、学校が招いた経緯などについて「具体的かつ詳細にご教示ください」という表現を繰り返し使い、2回にわたって質問していた。
「過去の行為とは別」 前川氏講演、適切と中学校長
林芳正文科相は16日の会見で「やや誤解を招きかねない面があった」と述べ、調査を進めた初等中等教育局長を注意したことを明らかにした。一方、個別の学校の教育内容について文科省が教委に問い合わせることは地方教育行政法で認められているとして「一般的にあることだ」とした。
文科省と市教委によると、前川氏は市立八王子中の総合的な学習の時間の一環で2月、「これからの日本を創るみなさんへのエール」と題して講演。全学年の生徒に加え、保護者や地域住民も参加した。文科省教育課程課が新聞報道で講演を知り、前川氏を呼んだ狙いなど15項目の質問をA4判3枚にわたって書き、市教委にメールで送った。
文科省は3月1日のメールで前川氏について「天下り問題により辞職し、停職相当とされた」「在任中、出会い系バーの店を利用していたことが公になっている」と指摘。そのうえで「道徳教育が行われる学校の場に、どのような判断で依頼されたのか」などと問い、講演録や録音データの提供を求めた。交通費や謝礼の有無や金額、動員があったかも尋ねた。
これに対し、市教委は5日、天…