仕手集団元代表と共謀し、不正に価格をつり上げた株を売り抜けたとして、金融商品取引法違反(相場操縦など)罪に問われた元大学教員加藤恭被告(39)の判決公判が22日、東京地裁であった。家令和典裁判長は懲役2年6カ月執行猶予4年、罰金1千万円、追徴金約26億6千万円(求刑懲役4年、罰金1千万円、追徴金約75億7千万円)とする有罪判決を言い渡した。
判決によると、加藤被告は、仕手集団元代表の父、暠(あきら)被告=公判中に死亡=らと共謀し、2011年11月~12年5月、ネット上のコラムで大証1部上場の化学メーカーなど2社株について「大相場に発展する可能性がある」などと根拠なく記載。投資家に購入と保有を呼びかける一方で、自身は2社株に大量の買い注文を入れて株価を不正につり上げ、高値で売り抜けた。
判決は、加藤被告が元代表の父とともに2社株計約48億6千万円分を売り抜けたと認定し、利益分を追徴額とした。
加藤被告は裁判で「父親の指示に機械的に従っただけ」などと主張したが、判決は被告が一部の取引を自ら行い、コラムの内容修正も担ったと指摘。その上で「役割は従属的だった」として執行猶予をつけた。(長谷文)