中印の国境問題の中国側特別代表を務める王毅国務委員兼外交部長(外相)は5日夜、インド側特別代表を務めるドヴァル国家安全保障担当補佐官と電話会談を行った。新華社が伝えた。
王部長は「先般中印国境西部でガルワン渓谷事件が発生した是非曲直は非常に明確であり、中国側は引き続き力強く自らの領土主権を守り、国境地帯の平和と安寧を維持する」と表明。
「中印両国にとって第一の重要課題は発展と振興の実現であり、この大きな方向性において両国は長期的な戦略的利益を共有している。双方は互いに脅威とならず、互いを発展のチャンスとする戦略判断を常に堅持し、現在両国関係の直面する複雑な局面を強く重視し、できるだけ早期にこれを克服し、転換するよう共に努力すべきだ。インド側が中国側と向き合って進み、世論と民意を正しく誘導し、両国間の正常な交流と協力を維持し、推進し、係争を拡大化、複雑化させるやり方を避け、中印関係の大局を共同で維持することを望む」と強調した。
双方は現在の両国国境での事態の緩和について率直で踏み込んだ意見交換を行い、前向きな合意にいたった。
(1)双方は、両国首脳間の重要な共通認識に従うことで合意し、国境地帯の平和と安寧の維持は両国関係の長期的発展にとって極めて重要であり、国境問題を両国関係の適切な位置に据え、溝が紛争へと高まることを避けるべきとの認識を示した。
(2)双方は、両国が国境問題について調印した一連の協定及び合意を遵守し、国境地帯情勢の緩和に共に努力することを重ねて表明した。
(3)双方は、特別代表会合制度を通じて意思疎通を強化し、中印国境問題協議と実務調整制度会議を中断なく開催し、国境地帯の信頼醸成措置を整え、強化し続け、国境地帯の平和と安寧に影響を与える事件の再発を防ぐことで合意した。
(4)双方は、両国の軍事及び外交会談が最近得た進展を歓迎し、引き続き対話と協議を継続することで合意するとともに、両国国境防衛部隊司令官級会談で形成した各共通認識の実行を急ぎ、双方の最前線部隊の接触回避プロセスをできるだけ早く完了すべきであることを強調した。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年7月7日