首相との面会を前に取材に応じる横田早紀江さん(左)と飯塚繁雄・拉致被害者家族会代表=内閣府、北野隆一撮影
北朝鮮による拉致被害者家族らが30日、首相官邸で安倍晋三首相と面会し、米朝首脳会談に臨むトランプ大統領に解決に向けた働きかけをするよう求めた。その後、家族らは国会内で記者会見を開き、「大きな節目であり、このチャンスを生かしてほしい」と語った。
拉致被害者家族、首相と面会「米大統領に帰国段取りを」
横田めぐみさん(拉致当時13)の母早紀江さん(82)は「北朝鮮が(米朝会談に向け)自ら動き出したのは今までと違う。今回のチャンスを逃さないようにして、『よかったね』と再会を喜び合える動きがくることを確信している」と話した。めぐみさんへの思いを聞かれると、「13年間しかあの子の姿を見たことがない。健康だったこと、明るかったこと、歌を歌っていたことを思い出す。とにかく健康で、忍耐強く、希望を持って待っていてほしい」と語った。
家族と一緒に面会した救う会の西岡力会長によると、安倍首相からは要請内容に対する直接的な言及はなかったという。会見で家族らからは、「北朝鮮にだまされないように」という警戒感が示された一方で、日朝首脳会談への進展を期待する声も聞かれた。(清水大輔)