トランプ米大統領は29日のオハイオ州での演説で、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦でシリアに派遣している米軍について「我々はシリアから出ることになる。本当にまもなくだ。他の人たちにシリアを任せよう」と述べ、できるだけ早く米軍を撤退させたい考えを示した。
これに関連し、AP通信は30日、トランプ氏は2月中旬、国防総省や国務省幹部との会合で、対ISで勝利した後、なるべく早い段階で米軍を撤退させるよう指示した、と報じた。
29日の演説はインフラ整備に関するもので、トランプ氏は「米国民は、他国の再建に何兆ドルも費やしながら、我が国のインフラがボロボロのままの状況を見ている。ちょっとおかしいと思わないか」と指摘。その流れで「ところで、我々はISを打ちのめしている。迅速にすべての土地を奪い返している。本当にまもなく、我々は米国に戻るだろう」と語った。
米軍は現在、IS掃討作戦で約2千人がシリアに駐留している。国防総省は、ISを完全に倒すだけでなく、他の過激派組織がはびこらないようにするため、シリアの和平に見通しが立つまでの間、米軍は駐留し続けるという方針を打ち出していた。(ワシントン=土佐茂生)