会見の冒頭で謝罪する大阪府茨木市の岡田祐一教育長(左から2人目)ら=13日午後、大阪府庁、金居達朗撮影
大阪府教育庁と同府茨木市教育委員会は13日、今春の新入生を対象にした府立高校入試で、茨木市立中学校1校が作成した調査書(内申書)の評定(点数)のデータにミスがあったと発表した。132人に誤りがあり、新たに判定した結果、高校4校で府内の計4人が追加合格となった。4人には補償をする方針。
府立高校の入試は、2月の特別選抜と3月の一般選抜がある。ミスは学力検査の成績450点と、調査書の評定450点(9教科各50点)の総合点で合否を判定する一般入試で起きた。
調査書の作成には、同府内で一律導入しているソフトウェアを使うが、この中学校では、入力担当の教員が必要な操作を失念。今年2月15日現在の評定データを使うべきところ、すでに入力されていた特別選抜用の評定データ(昨年12月31日現在)が出力され、それが調査書に記載されてしまった。入力は進路担当の教員が1人で担っていた。
調査書を高校側に提出する前に担任や校長らが、活動や行動記録の記述欄などを点検したが、データについてはソフトによって正確なデータが入っていると思い込み、点検しなかったという。
この結果、23校に提出した132人の調査書の評定に誤りが発生。うち109人について合否判定に用いる評定の合計が変わった。
今月、この中学校の卒業生1人が自身の入試結果の開示を進学先の高校に求めたところ、中学校から伝えられた点数と異なっているのに気づいて発覚した。
追加合格の4人には、私立高校の入学にかかった経費や慰謝料などを補償する。市教委は12日、生徒や保護者に謝罪した。涙を流した生徒や「なぜミスを防げなかったのか」と問いただす保護者もいたという。4人の進路については「悩んでいる人もいる」として明らかにしなかった。
会見した同市の岡田祐一教育長は「生徒の人生の大きな節目で重大なミスを発生させ、生徒と保護者を傷つけて、つらい思いをさせた」と謝罪した。