年金の所得控除データ入力問題の概要
日本年金機構は26日、所得控除のデータ入力を委託した情報処理会社の入力ミスで約7万人の2月支給額が違っていたと発表した。入力を放置していた分を含め、約10万4千人に本来より計約20億1300万円少なく支給されていた。逆に約4万5千人には計約8千万円多く支払われていた。対象者にはおわび状を送り、4月13日の支給額で過不足分を調整するという。
年金過少支給、31万8千人分で入力ミスか 都内の業者
この会社は東京都豊島区の「SAY(セイ)企画」。所得控除に必要な「扶養親族等申告書」を昨年12月11日の期限までに正しく提出したのに支給額が本来より少ない人がいたため、機構が委託した約528万人分のデータを再点検し、約31万8千人分の入力ミスがあったことが分かった。
機構によると、2月支給額(昨年12月、今年1月の2カ月分)が違っていた約7万人のうち、過少支給は約2万5千人で最高で約1万2千円少なかった。過大支給は約4万5千人で、最高で1万円多かった。
これとは別に、約8万4千人分の申告書が放置されていたが、このうち約7万9千人が過少支給だったことも公表した。最高額は約5万円だった。
扶養親族等申告書は毎年提出する必要があり、機構は今回の申告書を昨夏以降に約824万5千人(新受給者を含む)に送った。だが、様式が大幅に変わった影響で未提出や記入ミスが続出。2月支給分で、SAY企画の放置分を含めて約130万人に過少支給されていた。(佐藤啓介)