5代目のデリカD:5。一部改良して発売した=東京都港区
三菱自動車のミニバン「デリカ」シリーズは、1968年の発売から今年で50周年を迎えた。これを記念し、同社は初代から5代目を集めたイベントを本社ギャラリー(東京都港区)で開き、5代目「D:5」の一部改良車を発表。今後も新型車の発表や50周年イベントを展開していくという。
デリカは1968年、商用車の「デリカトラック」として誕生。名前の由来は、どんな道路状況でも人や荷物を目的地まで運ぶ「デリバリーカー」。翌年には9人乗りの乗用車「デリカコーチ」が売り出され、三菱自のワンボックスカーの起源になった。当時はセダンタイプが全盛のため、主に送迎用として利用されたという。
2代目「スターワゴン」は82年に4WDを採用。「悪路でも走れ、スキー場の駐車場に多く並んでいた」と広報担当者。3代目では、前面を保護する「グリルガード」のデザインが話題になり、全世代で最高となる43万台を売り上げた。「デリカと言えば、3代目をイメージする人が多い」(広報)。
94年登場の4代目「スペースギア」を経て5代目「D:5」が2007年に発売。ボディーの強度を高め、衝突の際の安全性を向上させた。25日に発表した一部改良車は、歩行者保護のために、前方バンパーのカバーをさらに厚くした。
新車種の発表は今後も続く。5月17日にはレジャー使用を意識して座席に水をはじく生地を採用した特別仕様車「ジャスパー」を売り出す。また、07年以来の全面改良となる新型車を今年度中にお披露目する見通しだ。開発担当の大谷洋二さんは「歴代デリカは、時代ごとに進化してきた。しかし、人々の生活を豊かにするというテーマに変化はない」と話す。(長橋亮文)