(2日、サッカーJ1・ガ大阪1―0仙台)
ガ大阪に今季初の連勝をもたらしたのは、日本代表復帰を狙う2人だった。
0―0の後半17分、ボランチの今野がタイミングよく敵陣に入り込む。右サイドからのパスを受けるとペナルティーエリア中央へ絶妙のスルーパス。DF2人の間に位置していた倉田が反応し、体を投げ出しながら右足を伸ばした。「目が合ったんで来るとわかった。流し込むだけだった」と倉田。2試合連続の先取点が決勝点になった。
今野は後半からの出場だった。右足首の負傷から1カ月半ぶりの実戦復帰。痛みは完全に消えてはいないというが、持ち味の素早い出足でピンチの芽を摘み、攻撃へのスイッチも入れた。「正直、今年は思い切りプレーできるのかという不安があった。まだまだだけど一歩目は踏み出せた」。代表への意識は普段から語らない。ピッチに立てたことをまず喜んだ。
一方の倉田はW杯について「目指すべき所。本当に行きたい大会」と公言する。「まだまだこんなもんじゃない。チームでのゴール、アシストをもっと増やさないと」と意欲的だ。
2人は昨年12月の東アジアE―1選手権を最後に代表には呼ばれておらず、厳しい立場にある。ただ視察した関塚技術委員長は「チームとしても個人としてもいいものが見られた」と満足げに言った。W杯中断期間までリーグ戦は残り3試合。代表に滑り込むためにも、ガ大阪を勝利に導く結果がこの先も求められる。(岩佐友)
◇
○クルピ監督(ガ) 復帰した今野について、「ボランチとして安定させる力を存分に発揮してくれた」。
○遠藤(ガ) 「連勝は上との順位を縮める上で重要。ギリギリの戦いを勝ち切れたのはよかった」