6月12日にシンガポールで行われる米朝首脳会談の直後、トランプ米大統領が来日して安倍晋三首相と会談するよう、日本政府が米政府に要請していることが明らかになった。米朝会談の内容についてトランプ氏から直接説明を受け、北朝鮮への対応をすり合わせる狙いがある。
日米関係に詳しい政権幹部の一人は「米朝会談後にトランプ氏に来日してほしいという日本政府の考えは、すでに米側に伝えてある」と話している。
日米両政府は、6月8、9日にカナダで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)の際にも、日米首脳会談を行う方向で調整している。安倍首相は「完全で検証可能かつ不可逆的」な核廃棄と拉致問題の解決を米朝会談で迫るよう改めて要請する方針。そのうえで、同月12日の米朝会談の直後に改めて日米首脳会談を行うことで、トランプ氏から金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談内容を確かめたい考えだ。
日本政府には、日米首脳会談を繰り返すことで日米同盟の強固な結束を国際社会にアピールする狙いがある。また、日本人拉致問題に対する金委員長の姿勢を踏まえ、日朝首脳会談の是非を判断する考えもある。
ただ、政府内には「米大統領の日程調整はそう簡単ではない」(首相官邸幹部)との声もある。調整の結果、米朝会談に同行するとみられるポンペオ国務長官やボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)らがトランプ氏の代わりに来日する可能性もある。