ライプチヒ戦でプレーする武藤=2018年4月29日、ロイター
今季を終えたサッカーのドイツ1部リーグで、日本人最多得点をマークしたのがマインツのFW武藤嘉紀(25)だ。27試合に出場して8得点。右ひざ故障からの復活をアピールする活躍で、ワールドカップ(W杯)ロシア大会へ滑り込みのメンバー入りを狙う。
最終節12日のブレーメン戦では、センターFWとして3試合連続で先発出場した。後半の追加時間には左足のシュートがゴールポストをたたいたが、得点を上乗せすることはできなかった。「納得いかないですね。2桁とりたかった」
ただシーズンを振り返れば、充実感も抱いている。「世界を代表するDFとやっている自信はある」。8得点は、イングランド、スペイン、イタリアを含む4大リーグのなかで今季これまでで日本人最多だ。
4年前のW杯ブラジル大会後に現れた新星だった。スピードにあふれたドリブルに、左右両足での決定力。慶大出身の経歴も注目を浴び、日本代表を背負っていく存在に思えた。
2015年夏、FC東京からドイツに渡ったが、最初の2シーズンはけがに苦しんだ。「まさか同じ箇所を続けて痛めるとは……。不運だった」。本格的に復調してきたのは今季からだ。来季からは憧れているイングランドへの挑戦を狙っている。
日本代表に呼ばれたのは昨年10月の親善試合が最後。4月の電撃的な監督交代を「チャンスが巡ってきた」と、とらえている。「W杯のチケットを無理やりにでもつかみたい」
18日、ロシアへの最終選考に挑む日本代表メンバーが発表される。「得点感覚は研ぎ澄まされている。やることはやった。あとは神に祈るだけです」。トレーニングを続けながら、吉報を待つ。(マインツ=吉田純哉)