後半、チーム3点目となるゴールを決めるクロアチアのラキティッチ=ロイター
(21日、クロアチア3―0アルゼンチン サッカー・ワールドカップ)
アルゼンチンが初戦の4バックから3バックに変化させたのに対して、クロアチアも動いた。
攻撃力が高く、運動量の豊富なモドリッチとラキティッチの二枚看板をより前の位置に置いた。狙いは前から圧力をかけて速攻につなげること。「十分な分析ができていた」。ダリッチ監督は相手の布陣変更も含め、弱点を突く手はずが整っていたと明かしている。
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11人が冷静に役割をこなし、同時に球際では激しく戦った。DFラインを高く保ち、技術の高いアルゼンチンを狭いスペースに囲い込む。相手ボールを徹底的に追った。
アルゼンチンはGKとDFの連係が悪く、圧力をかければミスが誘発できることも見通していた。後半8分、GKをしつこく追い回したレビッチがパスを引っかけてシュート。必然の先制点が生まれた。
攻撃的な守りは同時に、アルゼンチンのエース、メッシ対策も兼ねていた。特別な見張り役を用意したわけではない。厄介な選手を封じるには元を絶つこと。メッシに渡るパスの出どころにふたをしたのだ。
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後半35分に相手の息の根を止めるミドルシュートでチーム2点目を決めたモドリッチは「簡単に勝ったように見えるけど、パーフェクトな試合運びが必要だった」。3位に入った1998年フランス大会以来、20年ぶりの1次リーグ突破という最初の目的をクリアしたことを素直に喜んだ。
シナリオを完璧にこなした勝利に、ダリッチ監督は「勝利に値するプレーをした選手を祝福したい」。そして、「彼らには勝利へのハングリーさと、サッカーをプレーする楽しさがあった」。どちらもアルゼンチンにはないものだった。(潮智史)