試合後、日本選手初の日米通算「100勝、100セーブ、100ホールド」を達成した巨人の上原が取材に応じた。主なやりとりは、次の通り。
巨人上原、日米通算100勝100S100ホールド達成
先発へのこだわり、「トリプル100」生む 巨人・上原
――今の心境は。
「まだ誰も達成していない記録を自分がやったことはうれしいですし、これは1人ではできない。そのときの監督、コーチ、トレーナー、いろんな人に感謝したいと思います」
――100ホールド目の今日の試合。心境の変化はありましたか。
「ホールドよりも、試合が同点の場面だったし、どうしても勝ちたい思いで(マウンドに)上がってました。結果(チームが負け)残念なことになりましたけども、まだ自分たちも諦めていない。負けましたけど、明日につながる戦いだったと思います」
――日本球界に復帰して、今のポジションで大事にしていることは。
「常に準備するということです。投げる投げない関係なく、ブルペンでの準備。体操やピッチングを毎日やることによって、試合で投げれば結果はついてくると思うので、準備だけはしっかりしようと思っています」
――中継ぎの難しさは。
「いつ行くか分からないということがあるし、チームの勝ち負け関係なく投げるときもある。常に試合に入っていかないといけない心構えは、きついですね」
――先発の経験は生きているのか、意識を変えないといけないのか。
「先発のときは先発のプライドを持ってやってましたし、今はこのポジションにいるので、このポジションのプライドを持ってますから。その当時の監督が『先発はやらない。抑えでやってくれ』と言われたことに対して、プライドを持ってやってましたから。気持ちの切り替えはできていたと思います」
――適応力の高さの要因は。
「経験を積めば、そうなると思います」
――実績を残せる投手になるためには。
「さっきも言いましたけど、常に準備することですね。結果が出ようが出まいが、また明日があるわけですから。試合に向けた準備が大切だと思います」
――次の目標は。
「これを目標にしていたわけじゃないんで。1年、ケガなくやることが、最低限の目標ですね」
――先発投手の勝ちを消せない難しさもある。
「1人でやるスポーツではないので。先発のときもすべて完投したわけじゃないですし。クローザー、セットアッパーのおかげで勝ち星がついた試合は、いっぱいあった。後ろに回ったら先発の勝ちを消したくない思いでずっとやってきましたし、周りの支えがあってこういう数字になったことに対して、感謝したいと思います」
――日本球界に復帰して不調のときもあった。
「開幕して最初は抑えたけど、自分の中では『違うな』という思いでやっていた。その後、走り込み、投げ込みをさせてもらって、理解をいただいたことには感謝してますね」
――この記録は他の中継ぎ投手にとっても活力に。
「ホールドに関しても、何か(称号などを)つけていただければなと。大げさに言ったら名球会とか。セーブと先発の勝ちは(名球会入りの条件が)ある。でもホールドはないというのは、中継ぎをやっている人にとっては、『どこに目標を置いたらいいのか』というのが出てくると思う。地味だからこそ、地位を向上させたいという思いはある」