高校野球の南大阪大会は26日、準決勝2試合がある。第1試合に登場した大体大浪商(大阪府熊取町)は、夏の全国大会に過去13回出場。ただ最後は第61回大会(1979年)で、39年ぶりの代表を目指した。スタンドでは、大けがを負いながらも復帰を遂げた部員が大声をあげ、苦しい時に支えてくれた仲間の活躍を祈っていた。
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左翼手の東山竜也君(3年)は昨年9月、練習試合の守備でダイビングキャッチをしようとした時に全身むち打ち状態になり左半身まひになった。手足の感覚がなくなり、幻覚症状が出たことも。医師からは野球をあきらめるように言われた。
一人で抱え込んだ東山君を、1年から一緒のクラスだったエース立石健君(3年)らが「絶対にあきらめるな」と励ました。冬の耐寒登山は同じ外野手の作田主税(ちから)君(同)らが交代でおんぶして登った。東山君は半年以上の治療とリハビリに耐えて、野球ができる状態まで復活した。
今夏はベンチ入りはならなかったが、6月にあった引退試合では3番左翼手で先発出場。中越え二塁打を放つなど勝利に貢献し、仲間からウィニングボールをプレゼントされた。
今大会では、中軸を打つ吉田颯汰君(同)が東山君が使っていたひじ当てを身につけてグラウンドに立った。23日の4回戦で完投した立石君は「東山の応援の力を借りて甲子園に行く」と話していた。
「みんながずっと支えてくれた」と東山君。感謝を胸に、スタンドの最前列から声援を送っていた。(坂東慎一郎)