高校野球南・北大阪大会は25日、それぞれ準々決勝4試合があり、4強が決まった。甲子園春夏連覇をめざす注目校が競り勝った一方、公立5校はいずれも敗れ、100回目の夏の挑戦が終わった。26日は南大阪大会の準決勝2試合がある。
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揺らぐ不動心、指先に狂い 寝屋川・藤原涼太君
憧れ続けた甲子園まであと3勝。その意識が、寝屋川のエース藤原涼太君(3年)の指先を狂わせた。
立ち上がりから制球が定まらない。一回裏、1死から連続四死球で一、二塁とし、迎えたのは履正社の4番、白瀧恵汰君(3年)。スライダーを投げた瞬間、「真ん中に入る。やばい」。振り抜かれた打球は右翼席に飛び込み、いきなり3点を失った。
優勝候補・履正社との対戦にも、達大輔監督は「藤原が好調なら2失点に抑えられる」と踏んでいた。序盤でその想定は外れたが、打線が五回に4安打を集めて2点を返し、食らいついた。これまで3試合を1人で投げ抜いてきた藤原君も終盤、「バテてきて逆に力が抜けた」と立ち直り、七回以降は二塁を踏ませなかった。それでも、初回に失った3点が重かった。
寝屋川は春の府予選準々決勝で、今春の選抜大会を制した大阪桐蔭と対戦。サヨナラ負けしたものの、藤原君の好投で九回2死までリードする接戦を演じた。藤原君は「今年は本気で甲子園を狙える」。チームのスローガンに「不動心」を掲げ、どんな強豪にもピンチにも動じないと誓った。
「勝つには自分が抑えないといけないという思いが強すぎて、不動心を貫けなかった」。責任を背負い込むエースを、主将の一貫田裕貴君(3年)がかばった。「藤原のおかげでここまで勝てた。あいつが打たれて負けるなら、悔いはないです」(遠藤隆史)