新幹線の先頭車両に着目し、その形の変遷と風との関係を学ぶ企画が、JR東海の鉄道博物館「リニア・鉄道館」(名古屋市港区金城ふ頭3丁目)で開かれている。子どもたちの夏休みに合わせた企画で、風の力が物に与える影響を実験を通して学べる。
おもちゃの列車を使い、先頭車両の形が四角い在来線と、とがったN700系新幹線を比較。実際に扇風機で風を当て、影響を確かめる。
館内には、実物の車両が置かれている。新幹線の0系から700系に至るまで、風の抵抗を少なくするために車体が流線形になっていく過程もわかる仕組みだ。
夏休みの企画は、学校で習う理科の内容が実社会でどう生かされているかを知ってほしいと、立案された。針山尚己・副館長は「学校での学びは無駄にならないと気づいてほしい。企画に加え、館内の展示からも理解を深めてもらえれば」と話している。
リニア・鉄道館は、高速鉄道の技術と進化を伝えるため、11年に開館した。学校での学びを実験を通して体感するとともに、新幹線の高速化の変遷に関心をもってもらうのがねらいだ。夏休みの企画は、ほかにも700系新幹線の運転台の公開(9月10日まで)などがある。
風の力を学ぶ企画は9月2日まで、毎日午前11時から。先着約20人。入館料大人千円、小中高生500円、幼児(3歳以上)200円。問い合わせはリニア・鉄道館(052・389・6100)へ。(山下奈緒子)