西日本豪雨で浄水場が被災し、断水が続いていた愛媛県宇和島市三間(みま)町で3日、代替の浄水装置が完成し、試験的な通水が始まった。検査で水質を確認するまでは生活用水の使用に限られており、飲み水には使えないが、住民らは1カ月ぶりに蛇口から出た水にほっとした表情をみせた。
中村時広知事や宇和島市の岡原文彰市長が配水池の栓を開け、通水を開始。同市三間町の市立成妙(なるたえ)保育園では午前11時過ぎ、園児がいっせいに手洗いをした。園児の上甲(じょうこう)多希さん(6)は、「水が出てうれしい」と喜んでいた。
被災地のために今できること…西日本豪雨支援通信
西日本豪雨、列島各地の被害状況は
市水道局などによると、豪雨による土砂災害で宇和島市の浄水場は壊滅的な被害を受け、市全体では約4800世帯で断水。地元の水利組合が協力し、2千世帯分では、ため池の農業用水の一部が利用できることになり、市が池のそばに仮設の浄水装置を設置して対応することに。宇和島市の大規模な断水は、今後収束に向かう見込みだ。(藤家秀一、尾崎希海)