宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務をめぐる接待汚職事件で、東京地検特捜部は15日、文部科学省前国際統括官の川端和明容疑者(57)を収賄罪で起訴し、医療コンサル会社元役員の谷口浩司容疑者(47)=受託収賄幇助(ほうじょ)の罪で起訴=を贈賄罪で追起訴したと発表した。
発表によると、川端前統括官は出向先のJAXAで理事だった2015年8月~17年3月、谷口元役員のコンサル会社に便宜を図るなどした見返りに都内の飲食店で二十数回の接待を受け、タクシー券をもらうなど計約150万円相当の賄賂を受け取ったとされる。
関係者によると、前統括官は16年11月、コンサル会社の営業先である東京医科大学が開いた講演会に、JAXAから宇宙飛行士を派遣。また元役員らが、JAXAの人工衛星を使った災害対策事業を大手流通会社に提案する際、助言などをしていたという。
特捜部は、元役員らが録音した接待の際の音声データや、前統括官が飲食の日時などを記した日記を入手。コンサル会社側が、便宜に対する謝礼のほか、引き続き便宜を受けるために接待を繰り返していたとみている。コンサル会社の別の元役員についても、谷口元役員に接待などを指南していた疑いがあるとして捜査を進めている。
特捜部は同省の事業に絡み、息子を同大に不正合格させてもらったとして、前局長の佐野太被告(59)を受託収賄罪で起訴している。