電車や街の雑踏で相手に気づかれることなく財布などを盗む「スリ」。件数は減りつつあるが、多くの人出でにぎわう夏休み期間は特に警戒が必要だ。人混みに紛れてスリ犯の捜査にあたる福岡県警捜査3課の男性刑事(46)と女性刑事(45)に話を聞いた。
2人ともジーンズにスニーカーのリラックスした格好で、休日に公園を散歩している一般人という印象だ。男性刑事は「狙いはそこです。街に溶け込むことが大事ですから」。
1日5、6時間ほど、ラフな私服や目立たないスーツ姿で人出が多い場所を歩き回る。平日は帰宅ラッシュ時の駅や電車、土日は買い物客でにぎわうショッピングモール、競艇場や競馬場などをめぐる。靴もオーダーメイドで歩きやすいものを準備し、歩く場所の雰囲気に応じて5、6足を履き分けるという。
ポイントは目
雑踏の中からスリ犯を見つけ出すポイントは、視線の動きだという。
スリ犯は、通行人のバッグから…