宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務をめぐる接待汚職事件で、東京地検特捜部が、文部科学省前国際統括官に対する贈賄容疑で、医療コンサル会社元役員の男(55)の逮捕状を取ったことが関係者の話でわかった。元役員は国外に滞在しているとみられ、外務省が27日、パスポートの返納命令を出した。
前統括官を収賄の罪で起訴 文科省汚職で東京地検
関係者によると、元役員の贈賄容疑は、2015年8月~17年3月、同社の同僚役員だった谷口浩司被告(47)=贈賄罪で起訴=と共謀し、文部科学省前統括官の川端和明被告(57)=収賄罪で起訴=に、東京都内の高級クラブなどで飲食接待などをしたというもの。元役員が谷口被告に接待を指南するなどしたとみられる。
返納命令などによると、特捜部は先月25日、贈賄容疑で元役員の逮捕状を取った。今月8日に通報を受けた外務省が27日、9月30日までの返納を命じた。期限を超えるとパスポートは失効し、滞在している国で不法滞在の状態になる。
元役員は15年7月、谷口被告と同時に同社の取締役に就任。企業の災害対策や病院、スポーツ業界の法令順守などのコンサル業務を行っていたとみられている。
関係者によると、元役員は、谷口被告が一連の汚職事件で7月に逮捕された直後に、同社の取締役を辞任していた。自身も関係先の捜索を受けて出国し、一時は東南アジアに滞在していたとみられている。