トランプ米大統領は29日、自身のツイッター上で米ホワイトハウスの声明を発表し、「米韓の戦争ゲームに膨大なカネを使う理由はない」として、6月の米朝首脳会談後に中止している米韓軍事演習の再開について、現時点では考えていないことを明らかにした。一方で「大統領が選択すれば、すぐに日韓両国とかつてない大きな共同演習を始めることができる」と強調し、北朝鮮を牽制(けんせい)した。
米韓軍事演習をめぐっては、マティス米国防長官が28日の記者会見で「我々にはこれ以上中止する計画はない」と述べ、将来的に演習を再開する可能性を示唆していた。
また声明では、北朝鮮の非核化の問題と米中の貿易摩擦を結びつける主張も展開した。米中の貿易摩擦のため「北朝鮮は中国から非常に大きな圧力を受けている」としたうえで、「中国が北朝鮮に資金や燃料など相当の援助をしていることを把握している」と述べ、中国が北朝鮮に与えている影響に警戒感を示した。
トランプ氏は24日、ポンペオ米国務長官の訪朝中止を決めた際も、「米国が貿易問題で中国に強硬な姿勢を示しているため、中国は(北朝鮮の)非核化プロセスを支援しないだろう」とツイート。中国外務省は「米国の主張は基本的な事実に反しており、無責任だ」と反論していた。(ワシントン=園田耕司)