ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャ約70万人が難民になっている問題で、ミャンマー政府は29日、国連人権理事会の調査団の報告書に反発し、「(同理事会の)いかなる決議も受け入れない」などと主張した。9月10日からジュネーブで開かれる同理事会では、ロヒンギャ問題についての議論が予定されている。
ミャンマー国家顧問省の報道官は取材に対し、「調査団は国連人権理事会の決議でつくられたものだが、我々は調査団の入国を認めていない」などとして、報告書の内容を否定する見解を示した。27日に公表された報告書は、ロヒンギャに対する迫害を国軍の主導と認定し、「人道に対する罪」として、軍幹部の訴追を求めている。
また米IT大手フェイスブックは、報告書が公表された後の27日、ミャンマー軍幹部らのアカウントやページを削除したと発表した。フェイスブックは、ロヒンギャ問題についてのミャンマー政府側の主張を広める道具となっていると批判を浴びていた。
この件について報道官は、「調査団が(アカウントを)削除させようとした。(報告書と)関連した行為だ」と主張。「どのような経緯で削除に至ったのか、フェイスブック側に尋ねている」などと説明した。(ジャカルタ=染田屋竜太)