盗撮目的で女性のワンピースの下から携帯電話を差し入れたとして、福岡県迷惑行為防止条例違反の罪に問われた福岡市の男性(44)の判決が7日、福岡地裁であった。松村一成裁判官は「捜査段階の自白の信用性は認められない」として、無罪(求刑罰金40万円)を言い渡した。
男性は2017年4月21日午後4時ごろ、福岡市早良区内の商業施設で、女性の下着を撮影する目的で動画撮影機能を起動させた携帯電話を差し入れたとして起訴されていた。男性は捜査段階で行為を認めていたが、公判では否認し、無罪を主張していた。
松村裁判官は、自白で説明された撮影時の体勢について「盗撮を試みる者としては露骨すぎて不自然」とするなど、自白に不合理な点が複数あると指摘。携帯電話に残された動画が手ぶれで明確に映っていなかった点などを踏まえ、「差し入れたとの事実を認めるには合理的な疑いが残る」と結論づけた。(一條優太)