今年のイグ・ノーベル賞で、医学教育賞を受けた昭和伊南総合病院の堀内朗医師(57)は、授賞式で渡米する直前、東京都内で朝日新聞の取材に応じた。
座って大腸検査「苦痛少ない」自ら試しイグ・ノーベル賞
参加していた内視鏡関連の学会会場で時間を割いてもらい、受賞論文の内容などについて話を聞いた。写真を撮り終えた後、堀内さんは1枚のDVDを差し出した。「実際の様子はここに動画が入っていますから」。こう言って学会に戻っていった。
DVDを会社のパソコンで再生すると、受賞理由になった「座った姿勢で行う大腸内視鏡検査」の一部始終が録画されていた。
前半は腹部の内視鏡検査をX線で透視したよくある動画が続く。さわやかなピアノ演奏のBGMが流れる中、画面には大腸の影の中をグリグリと進む内視鏡が映し出される。5分ほど眺めていると、内視鏡が地面をはいずり回るミミズのように見えてきた。
と、突然、映像がイスに腰掛けた堀内さんに切り替わった。左手で内視鏡の操作部を持ち、股間付近にあてた右手が内視鏡の管をつまむ。スナップを利かせながら、スルスルとズボンの穴からお尻に入れていく様子が見えた。
画面には、内視鏡が映し出した大腸内の様子も映し出される。先端部がピンク色のひだをかき分けながら、奥へ奥へと進んでいく。「さすが先生、きれいな腸壁ですね」。思わず画面の中の堀内さんに語りかけていた。深夜のオフィスで、デスクと2人でしばらく映像に見入った。
堀内さんは内視鏡をしばらく操…