国際数学連合は1日、生涯にわたり際だった業績をあげた数学者に贈られる「チャーン賞」に、柏原正樹・京都大特任教授(71)を選んだ。ブラジル・リオデジャネイロで始まった国際数学者会議で発表した。国際数学者会議での日本人の受賞は、2006年にガウス賞を受賞した伊藤清さん以来。
柏原さんは、「D加群」と呼ばれる理論を確立し、代数解析学の構築に大きな役割を果たした。
チャーン賞の賞金は50万ドル。40歳以下が条件のフィールズ賞と異なり、年齢制限はない。2010年に中国出身の数学者を記念して創設され、柏原さんが3人目となる。柏原さんは今年度の京都賞の受賞も決まっている。
同時に発表されたフィールズ賞には、ドイツのピーター・ショルツ氏ら4人の受賞が決まった。(石倉徹也)