日本オリンピック委員会(JOC)は13日、冬季五輪・パラリンピックの招致をめざしている札幌市の町田隆敏副市長とJOCの竹田恒和会長が、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と17日にスイス・ローザンヌで会談すると発表した。北海道で6日に発生した地震の影響などにより、当初の2026年から30年に招致を変更する意向を伝える方針だ。
札幌市の冬季五輪招致 26年から30年に変更の意向
JOCの平岡英介専務理事は報道陣に対し、「地震で大きな被害を受け、札幌市として今、招致活動に入るのは難しい。その考え方とIOCの受け止め方を打ち合わせることになる」と話した。
札幌市は30年度末に予定される北海道新幹線の札幌延伸を見据え、招致を30年に変更することを検討していた。さらに今回の地震が起きた。町田副市長は朝日新聞の取材に対し、「震災を乗り越えようとしている状況を説明したい。市側から(26年招致を)断念という形でなく、IOC、JOCとの協議のもとで30年大会へ対応するのが適当と思っている」と述べた。
ただ、立候補都市の減少に悩むIOCのバッハ会長は26年招致の継続が30年招致に優位に働くとの考えを示しているという。別のJOC幹部は「17日に変更を伝えたとしても、バッハ会長がどんな反応を示すかは今のところ分からない」と話している。
26年招致を巡っては、札幌のほか、カルガリー(カナダ)、ストックホルム(スウェーデン)、エルズルム(トルコ)、共催をめざすミラノなどイタリアの3都市が手を挙げている。IOCは10月に正式な立候補都市を決め、来年秋のIOC総会で開催地を決める。