時に中央に反旗を翻し、独立王国の観もあった自民党の地方組織。安倍晋三首相が党中央を掌握する中、地方にも変化が見える。
特集「安倍×石破 二人が見る日本―自民党総裁選2018」
県政のドンと言われた人物のお別れ会が1日、水戸市であった。7月に97歳で世を去った山口武平氏。茨城県議を55年、自民党県連会長を22年間務めた。
歴代首相とも関係を築き、党中央にたびたび直言した。政界随一の実力者だった金丸信・元副総理に「あそこは武平の独立王国だ」と言わしめたほどだ。
お別れ会に駆けつけた麻生太郎財務相は山口氏をこう懐かしんだ。「『万機公論に決すべし』と口にされる一方、方針が決まれば一致団結を徹底された」
いま山口氏のような直言型の政治家は減り、多様な議論を通じて党内世論を形成したかつての自民党は変貌(へんぼう)しつつある。5年半を超える安倍政権の下、自民党の単色化が進む。国会議員であっても異論を口にすれば冷遇され、首相と距離を置く議員は「物言えば唇寒しだ」とささやき合う。
今回の総裁選では、安倍陣営による地方での激しい締め付けも目立つ。
「総裁選、あんたはどっちだ?…