マンションの部屋で声優養成所の練習が行われ、平穏な生活を営む権利が侵害されたとして住民3人が大手声優事務所「青二プロダクション」(東京都港区)を相手取り、レッスンの差し止めを求めた訴訟の判決が19日、大阪地裁であった。梅本聡子裁判官は原告側の請求を棄却した。
判決によると、同社は大阪市淀川区のマンションの2室を「青二塾大阪校」の練習場として使用。声優や俳優を目指す塾生が、土日に朗読や演技などのレッスンを受けている。
梅本裁判官は、マンションの管理組合の理事会が事務所使用や騒音について組合の規約に違反しないと判断した点をふまえ、「管理組合や所有者全員でなければ差し止め請求はできない」と判断した。
そのうえで、建物が鉄道や道路に隣接して外部から相当程度の騒音があることなどから、「(レッスンの騒音の)不利益が受忍限度を超えているとまでは認められない」とも述べた。(畑宗太郎)