米ハワイの伝統舞踊フラダンス(フラ)を指導する米国人女性(64)が、独自の振り付けを勝手に使われて著作権を侵害されたとして、熊本市のフラ教室運営会社に振り付けの使用差し止めを求めた訴訟の判決が20日、大阪地裁であった。高松宏之裁判長は女性の訴えを認め、運営会社に差し止めを命じた。女性側の代理人弁護士によると、フラの振り付けに著作権を認めた判決は初めて。
女性はハワイ・カウアイ島でフラ教室を運営するカプ・キニマカ・アルクイーザさん。判決によると、九州・中国地方で教室を開く「九州ハワイアン協会」(熊本市)は、同協会の教室で指導したカプさんとの契約を解除した2014年10月以降も、カプさんの振り付けを使って指導した。
判決はカプさんの振り付けについて、「他にない独自の動作が含まれ、全体として個性が表現されている」と判断。「振り付けは共通の基本動作の組み合わせにすぎない」とする協会側の主張を退け、カプさんの振り付けの使用差し止めと無断利用分の使用許諾料など43万円の支払いを命じた。
15年3月に起こされた訴訟では、カプさんらが振り付けを裁判官らの前で実演した。判決後の記者会見では「フラのことを理解してもらい、大変ありがたい」と話した。一方、同協会は「担当者が不在で対応できない」としている。(畑宗太郎)