元ミクシィ社長の朝倉祐介氏が、起業家やベンチャー企業など「スタートアップ」を支援するファンドをメガバンクとともに設立した。投資先として見据えるのは、小規模なスタートアップよりも、一定の事業基盤があるが、まだ上場には至っていない「レイタースタートアップ」と呼ばれる企業だ。
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朝倉氏が共同代表を務める「シニフィアン」が25日、みずほフィナンシャルグループ(FG)とみずほキャピタルとともに、総額200億円のファンド「THE FUND」を設立した。
近年、国内ではスタートアップの資金調達が増えており、東京証券取引所の新興企業向け市場、マザーズに上場する企業も増えている。ただ米国と比べ、日本は小規模なスタートアップへの投資に偏っている面があるという。
朝倉氏は2017年にシニフィアンを設立し、スタートアップ支援に取り組んできた。朝倉氏は「少なからぬスタートアップが上場以降、継続的な成長を実現できていない」と分析している。
研究開発した内容を事業化するまでの期間を「死の谷」と呼ぶことから、一定の事業基盤を築いた後、上場を目指す時期になると経営に行き詰まる傾向があり、こうした時期は「第二の死の谷」とも呼ばれる。新たなファンドでは、スタートアップがこの「谷」を乗り越えられるよう、資金提供や経営へのアドバイスを行い、財務戦略や組織運営などの課題の解決を目指すという。(笹井継夫)